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小川 益郎*
JAEA-Technology 2019-010, 22 Pages, 2019/07
円管内流れは、流れが実際に遷移し、遷移流が間欠性を示すにもかかわらず、あらゆる小さな外乱に対して線形的に安定である。このことは、流体力学ではまだ解決されていない大きな課題の一つである。そこで、著者は、これまで誰も気がつかず認識してこなかった事実を初めて指摘する。この事実というのは、「円管内の流れは、流れの剥離によって、円管入り口付近に形成される剥離泡から放出された渦のために層流から遷移し、そして渦放出が間欠的であるために遷移流が間欠性を示す。」というものである。この事実は、円管の入口形状が遷移レイノルズ数に大きく影響することや、第3の遷移現象に分類されている外側円筒が支配的に回転する同心二重円筒間の流れが円管内の遷移流れと同様に流れの剥離によって間欠性を示すといった、多くの実験結果によって裏付けられている。本研究によって、高温ガス冷却炉の熱流体設計において最も重要な課題の一つである熱伝達促進のために、急縮小型の入口形状が遷移開始レイノルズ数をできる限り小さくできることを明らかにした。
Rodriguez, D.; 谷川 聖史; 西村 和明; 向 泰宣; 中村 仁宣; 栗田 勉; 高峰 潤; 鈴木 敏*; 関根 恵; Rossi, F.; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 55(7), p.792 - 804, 2018/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)再処理施設の核物質に対しては、ランダムサンプル検認と、追加的な重要タンク内溶液の体積、質量のみの連続監視システムによる"知識の連続性"保持により、保障措置が掛けられている。核物質溶液がタンク及び工程装置を結ぶ配管を流れる際に、特徴的なを測定し、核物質を実時間で検認することで、工程監視を改善できる可能性がある。われわれは、東海再処理工場の転換技術開発施設で、このパイプモニタリングを、硝酸Pu移送の際に試した。この際測定は、ランタン・ブロマイド検出器、及びの計数時刻とエネルギーを記録するリストモード・データ取得システムを用いて実施した。この測定結果とその分析は、配管内溶液の同位体組成、工程移動時刻、(単位時間当たりの)溶液流量及び移動溶液量を求められる能力を実証するものであり、実際に適用可能な保障措置検認工程監視の導入に繋がる。
橘 幸男; 本谷 浩二*; 竹田 武司; 七種 明雄; 篠崎 正幸; 磯崎 実; 伊与久 達夫; 國富 一彦
Nuclear Engineering and Design, 201(2-3), p.227 - 238, 2000/10
被引用回数:3 パーセンタイル:26.42(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉(HTTR)では、平成9年2月に非核加熱で1次冷却材を昇温する試験を実施したが、その際、原子炉容器上部のスタンドパイプ内雰囲気及び1次上部遮へい体の温度が想定以上に上昇した。HTTRの定格運転時に、これらの温度が設定値を超えることが予測されたため、昇温を防止するための対策について検討し、対策を施した。2段階の昇温防止対策を施工後、対策の効果を実証するための確認試験を実施した。確認試験結果及び温度解析結果から、昇温防止対策が適切であり、定格運転時に設計温度を満足する見通しを得た。
橘 幸男; 本谷 浩二*; 小嶋 崇夫; 竹田 武司; 江森 恒一; 猿田 徹; 伊与久 達夫; 國富 一彦
JAERI-Tech 2000-026, p.61 - 0, 2000/03
高温工学試験研究炉において、非核加熱で1次ヘリウムガスを昇温する試験を実施中にスタンドパイプ内雰囲気及び1次上部遮へい体の温度が想定以上に上昇した。スタンドパイプ内構造物の一部構造変更後、温度は大幅に低下したが十分ではなかった。そこで、追加の昇温防止対策について検討し、確認試験により決定した。昇温防止対策を所定のスタンドパイプに設置した後、確認試験を再度実施し、昇温防止対策の効果について最終的に確認した。本報告は、再度実施した確認試験の結果及び昇温防止対策の効果についてまとめたものである。有限要素法解析の結果、定格条件での1次上部遮へい体最高温度は、確認試験と同条件で67、実機パージガス流量配分条件で75となり、1次上部遮へい体の設計温度88を満足できる見通しを得た。
橘 幸男; 國富 一彦; 本谷 浩二*; 沢 和弘; 竹田 武司; 七種 明雄; 川路 さとし; 伊与久 達夫
JAERI-Tech 98-027, 74 Pages, 1998/07
高温工学試験研究炉において、非核加熱で1次ヘリウムガスを昇温する試験を実施中に、スタンドパイプ内雰囲気及び1次上部遮へい体の温度が想定以上に上昇した。スタンドパイプ内構造物の一部構造変更を行い再度昇温したところ、温度は大幅に低下したが十分ではなかった。そこで追加の昇温防止対策について検討し、仮設の対策を施し確認試験を実施した。本報告は、追加昇温防止対策、確認試験結果、確認試験に関する解析結果等についてまとめたものである。定格条件での1次上部遮へい体最高温度は、試験結果の直線外挿では約100C、有限要素法解析では約85Cとなり、別途実施している遮へい体の含水量の測定結果とあわせて、定格運転時の遮へい性能を確保できる見通しを得た。
國富 一彦; 橘 幸男; 本谷 浩二*; 中野 正明*; 七種 明雄; 竹田 武司; 伊与久 達夫; 石仙 繁; 澤畑 洋明; 大久保 実; et al.
JAERI-Tech 97-040, 91 Pages, 1997/09
高温工学試験研究炉において、非核加熱で1次ヘリウムガスを約110Cまで昇温させる試験を実施中に、スタンドパイプ内雰囲気及び1次上部遮へい体の温度が測定以上に上昇した。そこで、その原因を解析及び試験により特性するとともに、スタンドパイプ内構造物の一部構造変更により、温度上昇を防止する対策を定めた。また、対策に伴う構造変化により、炉内の流量配分に悪影響が無いこと、制御棒ワイヤーと改造後の構造物の接触が無いことを確認した。本報は、昇温の原因、構造変更の内容、構造変更による影響評価の結果を示したものである。
M.Li*; 伊藤 治彦; 白石 忠男; 斎藤 隆; 雨澤 博男; 板橋 行夫; 市橋 芳徳
JAERI-M 90-190, 35 Pages, 1990/11
キャプセルでの照射試験において、低温・均一温度照射を実現するために、JMTRのキャプセルにヒートパイプを利用することを計画している。そのためには比較的低温(100~300C)で作動し、小径で高熱流束が得られるヒートパイプが必要である。本報告書は、このような条件に適合するヒートパイプの構造をサーベイし、その性能を知るための計算評価をまとめたものである。本計算評価は、軽水炉で最も使用し易い、水を作動液としたヒートパイプについて行なった。計算の結果、作動温度が200C以上では、溝付ウイックを有するヒートパイプ又はウイック無しのヒートパイプが、高熱流束を得るためには適切であり、作動温度が120C以下の場合、金網ウイック付きのヒートパイプが優れていることが分かった。
功刀 資彰; M.Z.Hasan*; ARIESチーム
Proc. of IEEE 13th Symp. on Fusion Engineering, Vol. 2, p.882 - 885, 1989/00
ARIESプロジェクト研究は、トカマク型動力炉の概念計を米国内の各研究期間の協力の下に行うものである。この研究プログラムに1988年から原研も参加しており、その第1段階であるARIES-I設計が決定された。この設計では、ブランケットはSiC複合材で構成され冷却材として固体粒子(5~10m)を混入したCOガスが用いられることになっている。微小固体粒子の混入によって、系の圧力を上げることなく、高い伝熱性能が得られる。しかし、その伝熱流動の詳細な機構は不明であるため、本研究では著者の一人が既に開発したコードを大幅に修正して固気混相流のシミュレーションを円管内乱流と急拡大管内乱流について実施した。その結果、固体粒子による乱流強度の増加が示され、熱伝達増大の機構が検討された。
秋野 詔夫; 椎名 保顕; 根小屋 真一; 滝塚 貴和; 江森 恒一; 佐野川 好母; 岡本 芳三
JAERI-M 9195, 41 Pages, 1980/11
本報告書は、高温燃料試験体を大型高温ヘリウムガスループ(HTGL)に接続するために製作された高温配管の設計・製作・運転・性能等についてまとめたものである。本配管は、HTGLの加熱体から高温燃料試験体までの入口配管と、試験体からHTGLの再生熱交換器までの戻り配管とから成り立っている。戻り配管の試験体側には、混合冷却器が組み込まれている。本配管の方式は、内部断熱の単管である。構造上の特徴は、ガス流路と一体化された金属箔パッケージ型の断熱層を用いた点にある。また、バイパス流れを防止するための区画板も一体化されている。本配管の外径は216mm、流路径は38mm、最高温度は850C、最高圧力は40気圧である。